北日本血液研究会

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研究 study

2021年04月30日

HLA 適合または 1-2 allele 不適合ドナーからの 同種末梢血幹細胞移植における 移植後シクロホスファミドを用いた GVHD 予防法の 有効性と安全性を確認する第II相臨床試験

目的:HLA 適合または 1-2 allele 不適合ドナーからの末梢血幹細胞移植における移植後シクロホスファミド(PTCY)、タクロリムス(Tac)、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)による GVHD 予防法の有効性と安全性を検討する。

主要評価項目:移植後 100 日までの III-IV 度の急性 GVHD 発症割合
目標症例数:44 名
登録期間:2年間(2020年1月1日~2022年12月31日)
適格基準
<選択基準>
1. 対象疾患・病期が下記(a)〜(c)のいずれかを満たす
(a) 急性白血病 第一寛解期または第二寛解期以降の完全寛解期
(b) 骨髄異形成症候群 IPSS にて intermediate-II または high に分類される症例、 WPSS にて high または very high に分類される症例 (ただし、骨髄中の芽球比率 10%以下の症例に限る)
(c) 悪性リンバ腫 化学療法感受性のある部分寛解期または完全寛解期
2. 同意取得時の年齢が 20 歳以上 65 歳以下
3. HLA-A, B, C, DRB1 の 8 allele が適合、または 1-2 allele 不適合ドナーからの末梢血幹 細胞移植における血縁または非血縁末梢血幹細胞ドナーを有する
4. Performance status (PS) 0-2
5. 登録前 28 日以内の時点で主要臓器(心、肝、腎、肺)の機能が保たれており、以下のすべての基準をみたすこと
(a) 心駆出率≧50%
(b) T.Bil≦2.0mg/dl かつ AST・ALT が正常値上限の 3 倍以下
(c) CCr ≧30ml/min
(d) 酸素非投与下の SpO2≧95%
6. 本研究への参加についての同意が文書で得られている患者
<除外基準>
1. 活動性のある重複癌を有する患者
2. 活動性のある感染症を有する患者
3. 妊娠または妊娠の可能性がある患者および授乳中の患者
4. GVHD予防に用いる薬剤(シクロホスファミド、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル)に対して過敏症の既往を有する患者
5. ドナーHLA に対して特異性のある HLA 抗体を有する患者
6. その他、担当医師が不適当と判断した患者

PTCY19試験のプロトコール概要

              Cyclophosphamide             50 mg/kg                           day 3,4
              Tacrolimus                         0.02-0.03 mg/kg                day 5-180
              Mycophenolate Mofetil      15 mg/kg×2                      day 5-28

研究計画書.pdf